頭蓋骨の内部や背骨の内側には、生きていく上で最も大切な脳と脊髄があります。その脳と脊髄とそれらを包み込む膜の間は脳脊髄液という体液で満たされています。脳脊髄液の流れが滞ると、免疫力や治癒力が落ちたり自律神経が乱れたりなど身体に様々な不調が現れます。オステオパシーの施術では、脳脊髄液の流れの調整を行います。身体の健康と深い関わりを持つ脳脊髄液についてご紹介しますので、オステオパシーの施術を受ける前の参考知識としてぜひお読みください。
脳脊髄液の役割
脳脊髄液は脳や脊髄の周りを満たしています。脳脊髄液の一番大きな役割は脳と脊髄を保護することです。また脳と脊髄の周りを循環することで老廃物を排泄する役割も持っています。脳脊髄液は脳内で血液をろ過して作られる無色透明な液体です。脳脊髄液は1分間に6回から12回のリズムで生成や吸収を繰り返し、このリズムに合わせて頭蓋骨も動いています。非常に小さな動きのため、自分自身ではその動きを感じ取ることはできませんが、脳脊髄液を流し代謝を正常に行うためのとても大切な働きです。
脳脊髄液の流れが悪くなると
脳脊髄液の通り道は非常に狭いため、頭蓋骨や仙骨にズレが生じたり、頭蓋骨の動きが止まると脳脊髄液の流れが滞ったりします。頭部に脳脊髄液が溜まると脳が圧迫され、頭痛が発生しやすくなります。悪化すると水頭症を引き起こし、嘔吐や視力低下などの症状が現れます。また、自律神経の働きにも悪影響を与えます。脳脊髄液が正常に流れなくなると治癒力や免疫力が下がったり、自律神経が乱れたり、老廃物が蓄積することによりあらゆる機能が低下してしまうことがあります。自律神経が乱れると、頭痛や不眠、動悸や息切れ、低体温やしびれといった不定愁訴や自律神経失調症の症状が現れます。
さらに脳脊髄液の流れが悪くなると脳神経細胞にも障害が現れ、耳鳴りやホルモンバランスの悪化などが起こることもあります。このように、脳脊髄液は生きていく上で非常に重要な役割を担っています。脳脊髄液の正常な流れを維持し、脳のリズムを整え、脳が深呼吸できる状態を保つことは健康を維持する上でとても重要です。頭痛や不眠といった自律神経の乱れによる不調にお悩みの方は、ぜひオステオパシーの施術を受けにいらしてください。